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 　　№　２６　　　たまくま（卵熊）騒動　　　　　　　　　　　2023年５月２３日

　私の住む地域で最近の話題は卵と熊です。職場のお昼休みにお弁当を広げながら「卵買えた？」「買えないよ～」が女性職員（主婦）の会話です。全国的に卵の価格が高騰していますが、高くて買えないのではなく、そもそも売っていないのです。私が普段利用しているスーパーでは開店と同時にその日販売分の卵が売れきれとなり、卵のコーナーは「本日の入荷分は完売しました」の紙が虚しく貼られています。そんな状況がひと月以上も続いているのです。青森県にいる娘に話したら、「普通に売っているよ。なんでそんなことになっているの？」と不思議がられます。

　北海道の卵不足は今年３、４月に千歳市の養鶏場３カ所で発生した鳥インフルエンザが影響しています。道内で飼育されている採卵鶏の約２割に相当する１２０万羽が殺処分されたからです。テレビや新聞では元通りの供給量になるまで１年から２年はかかると報道しています。

　大半の店では１パック１０個入り約３００円で売られていて、１家族１パックに制限されています。いつ訪れてもショーケースは空で、卵スープなどが申し訳なさそうに空きスペースを埋めています。店頭にないのだからしょうがないと諦めていましたが、やっぱり「かつ丼」や「卵焼き」、「オムライス」が食べたい！一度頭に浮かぶとなおさら食べたくなるもので、これはもう開店前に行くしかないと、平日の仕事休みにすっぴんに上着を羽織り、意気込んで出掛けました。

　すでに店前に想像以上の長蛇の列（高齢の方が目立つ）で、店内の卵売り場の前で店員さんが１パックずつ手渡ししていました。買えるかな？と思っていたら、私の１０人くらい手前で完売となりました。悔しいのでそこから車で５分程の別の店に向かいました。が、ここも完売。「だめか…」。落胆のつぶやきを聞いた女性客から「〇〇店なら１０時開店だから間に合うかも」と教えられ、再び１０分ほどかけて〇〇店へ。まだ開店前だからイケると並びましたが、無情にも４人前で完売しました。朝イチと午後からと時間を分けて店頭に出す店もあるようですが、都合よくその時間帯に行けません。

　リベンジだ！と、がぜん闘志を燃やし開店３、４０分前に並ぶ決意をしていたら夫から「卵もらったよ！」の吉報。たまたま仕事先でいただいたそうです。愛知県産で黄身が鮮やかなオレンジ色のコクのある卵でした。卵は地産地消のものだと思い込んでいたので、各々の店で独自の仕入れ先があるのだなあと妙に感心してしまいました。念願の卵焼きやカツ丼を作り、夫は久々の卵かけご飯を堪能していました。

　卵より深刻なのは熊です。全国ニュースでも取り上げられましたが、５月１２日から市内で熊の目撃情報が相次いでいます。わりと街中に近い住宅地に熊の足跡が見つかり、家の前を走る動画が公開されました。付近の小中学校は登校時に保護者の送迎を呼び掛け、部活動を一時中止にするなど対応に追われていました。鹿ならまだしもまさかの事態です。

　この辺りは鹿の目撃は珍しくなく、家庭菜園の枝豆やキュウリが食べられたと、よく聞きます。最近、自宅そばの宅地造成地（閉校した小学校跡地）でも親子と思われる４頭がのんびり草をはんでいました。「分譲地の下見に来たのか」と夫。おまけに夕方玄関先で一服していると「キタキツネが目の前走っていった」とか。あとは狸とエゾリス、シマエナガが見られると、道産子勢ぞろいなどと冗談を言っている状況ではないのですが、野生動物も生きるためエサを求めて人里に迷い込んだのでしょう。熊も鹿もキタキツネも殺されることなく、おとなしく山へ帰ってくれること願うばかりです。

　猫は生卵はダメですが、ゆで卵なら食べても大丈夫だそうです（高カロリーなので摂り過ぎは肥満の要因、喉つまりしないよう注意が必要）。わが家の庭は桜が散り、紅白のツツジが咲きはじめ周りはフキやタンポポ、スギナなど雑草が生い茂っています。熊や鹿が出没してもおかしくないなぁと眺めつつ、対面したら猫たちは果敢に威嚇するのか、それとも一目散に逃げるのかと、想像を膨らませてしまいます。いやいや真っ先に思考停止でフリーズするのは人間だよね。一刻も早く騒動が収束してほしいです。

　　　　　　　　　

　　　　　　　　宅地造成中の小学校グラウンド跡地に現れたエゾシカ４頭

　　　　　　　　工事関係者がいても、のんびりと草を食べていました。

                             

                            　　ここに熊や鹿が現れたら、りん、モモどうする？