猫ぐらし2 ねこったけ家族

愛猫3匹との日々を紹介します

NO.60    半角は『ハンカクサイ』?         2024年4月18日

 

「ハンカクサイ」とは北海道弁で「ばからしい」「バカ」という意味で使われます。

 事の始まりは、夫の「弘前に行きたい」という切ないつぶやき。4月から新しい職場に通い、未知な仕事に右往左往する日々に「なんかさ、モチベ上げないとやってられないよ」とへこむ中、「春休み長居したからGWは帰省しないね」の娘の一言が追い打ちをかけました。「行きたい」が「行くぞ」に変わり、5月連休を避けて弘前一泊旅行することにしました。折しもJRが5月9日~23日までの期間、新幹線乗車券を50%値下げしている。JRが必死でPRする(駅中ポスターだらけ)「えきねっと」を通じて割引チケットを手に入れようと、夫婦2人一念発起しました。

 「えきねっと」は昨年娘の大学受験期に登録済でしたが、いざ切符の支払い段階になると、クレジットカード決済の3Dセキュア認証ではじかれ(何度挑戦してもダメでした)、結局はJRみどりの窓口へ出向いて切符を購入していました。さらに早割の新幹線はやぶさ新函館北斗駅新青森駅間)は交通系IC カードがないと割引になりません。最寄りの駅でカードは取り扱っておらず、対応する改札機もありません。2市先の駅で取り扱っていると知り、購入しに行こうかと思案していました。この問題を解消するため最寄りのみどりの窓口へ2人で行きました。

 偶然にも「えきねっと登録無料相談」をしていて、窓口にはご夫婦連れやスマホを手にした70~80代高齢者の列ができていました。応対する若い女性が2人、説明を聞く男性の横にはびっしりと細かな字が書きこまれたメモがあり、おそらく様々なアプリやカード登録に必要なIDやパスワード、暗唱番号、操作方法等が記入されているのだろうと想像されます。隣の高齢者は担当者の説明を一つ一つ確認しながらペンを走らせています。これは相当時間がかかるなと覚悟していました。順番待ちの女性が話しかけてきて、「あなたみたいな若い人でも相談にくるのなら、83歳の年寄りにわかるわけないのよ」とこぼします。固定電話を耳に当てながらスマホを操作し「えきねっと」に登録しようとしたらしく、4時間かけてもできなかったそう。「ネットで買うと安くなるっていうけど、電話代の方が高くついたわよ。あのね半角って何なの?はんかくさいならわかるけど」というから胸の内で爆笑しました。

 あらゆるサービスのIT化、スマホ頼りの社会に我々60代でさえまごつくのに、80を過ぎてスマホを駆使してチケット購入を試みること自体あっぱれです。でもPCやスマホを持っていない人や高齢者の皆がみな、IT社会に対応していけるのでしょうか。近所の80歳になる男性はマイナンバーカードさえ持っておらず、今年12月に紙の健康保険証が発行されなくなることも知りませんでした。1人暮らしで手助けしてくれる子や親族がいない高齢者はたくさんいます。世の中便利で簡素化されるのはいいけど、いつか我々も置いてけぼりをくらうのでしょう。

 待っている人が増え途中から別のJR職員が駆け付け、私たちに対応してくれました。夫が事前にメモ書きした質問事項を話し、スムーズに問題(疑問)が解決しました。交通系ICカードは買わずともモバイルSuica を利用するのがいいと言われ、早速2人スマホを手に同時進行で挑戦しました。多少もたつきましたが、なんとか登録完了。えきねっとの3Dセキュアはクレカ会社によって制限をかけている場合があり、会社に問い合わせして解除してもらいました。ほぼ1日がかりで2人分の往復チケットを予約できました。最大の難関は駅券売機でQRコードによる紙チケットの発券(在来線)、当日、新幹線はスマホをかざして改札を通過できるかです。できなかったら「ハンカクサイ」では済まされません。不安で眠れないのも「あ~ハンカクサイ」。ナンボ(いくら)便利でもユルクナイ(楽でない)ね、あ~コワイ(疲れた)!

 猫たちは義理の妹にキャットシッターをお願いしました。いい子にしていてね。お土産はないけど。

         

      人生なんとかにゃるさー。その寝相、悩みも不安もなさそう