猫ぐらし2 ねこったけ家族

愛猫3匹との日々を紹介します

NO.57      恋猫の季節                2024年3月20日

 

 “暑さ寒さも彼岸まで”と言いますが、彼岸の中日に朝から雪。駐車場の車に2センチほど積もっていました。早咲き桜の開花や海開きの話題がニュースになる中、北海道の春はまだ遠し。春は「猫の恋」の季節ですが、最近、「わお~ん、わ~おん」と狂おしいほどに鳴く恋煩いの猫たちを見かけません。さすがの寒さで野良さんたちも出歩くのが億劫なのでしょうか。我が家のデッキにはしょっちゅう野良さんたちがやってきて、大音量の鳴き声を響かせていたのですが、ここ数年聞かなくなりました。昨年は街中に熊や鹿の出没が相次ぎ、近くの閉校した小学校の跡地では住宅建築が盛んになって、野良さんたちには住みにくい環境になったのでしょうか。なんだか寂しいです。

 ブログを始める前、地方紙に「猫ぐらし」を掲載していた際、「猫の恋」をうたった俳句を紹介しました。冬から春にかけて繁殖期を迎え、恋の相手を求めて切なく鳴き叫ぶ猫の様子が俳句の春の季語になっています。松尾芭蕉が「猫の恋 やむとき閨(ねや=寝室)のおぼろ月」「またうどな 犬ふみつけて猫の恋」「麦飯にやつるる恋か猫の妻」(猫の妻も俳句の季語)と詠み、小林一茶は「鼻先に飯粒つけて猫の恋」「振袖を着せてやりたや猫の妻」など、生涯にたくさんの猫の句を残したそう。正岡子規も「夜もすがら すのこの下の猫の恋」「恐ろしや石垣崩す 猫の恋」とうたっています。真面目な犬を踏みつけても好いた猫を無我夢中に追いかける情愛に感嘆し、石垣を崩すほどの激しい鳴き声におののいても、振り袖を着せて猫の恋を成就させてあげたいと願ったのでしょうか。猫の行動や姿をよく観察し、ユーモアたっぷりで思わず笑ってしまいます。百人一首を編集した藤原定家の歌にも「うらやまし声もをしまず野良ねこの心のままに妻こふるかな」とあり、古来より猫は身近な存在であり、様々な俳人歌人たちに愛されたのですね。

 我が家の3姫たちは年をとり恋に関心がないのか、すっかり家猫になじんで野性味が薄れたのか、激しい夜鳴きは減りました。ただ時々夫の足もとに代わる代わる3匹すり寄ってくるのは、恋のさや当てなのかも。

「恋せずは 猫のこころのおそろしや」

江戸時代の女流俳人・秋色(しゅうしき)が詠んだ句で、恋をしたことのない身には鳴き騒ぐ恋猫を恐ろしいと思うでしょう。でも恋を知った後では、猫の切ない恋心もわかるというものです。

  「猫の足 洗うてやらん春の雨」

同じく江戸時代の俳人・翠羽(すいう)は、春の雨でぬかるんだ泥に足を汚して帰ってきた猫の足を洗ってあげましょうね。猫の恋は実ったのかしら、それとも失恋したのかしら。どんな顔して帰ってきたのだろうと想像してしまいます。俳句を嗜むセンスはないけれど、猫に向ける温かなまなざしが好きです。

 娘は一応年頃ではありますが、恋愛ドラマや小説にさほど関心がないようで、加えてジャニオタ(旧)なので目前の男子より遠くのアイドルしか見えていないよう。「彼氏の第一条件は猫好き」といい、今のところ推し活に全身全霊でカレシのカの字も聞かないが、将来、彼氏ができたら夫は「どこの馬の骨だ!」と憤怒の形相で絶叫しそう。

    「男親 嫁にやらぬと仁王立ち」 「切なきは 猫の恋より男親」

        

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