猫ぐらし2 ねこったけ家族

愛猫3匹との日々を紹介します

NO.56 はかったな、おぬし! ひな人形は早く片付けるべし 2024年3月8日

 ひな人形を片付けました。飾る日は「雨水」の日がいいと言われ、良縁に恵まれるそう。今年は2月19日でしたが、仏滅だったのでわが家は翌日の大安に飾りました。一方、「ひな人形は早く片付けないと、婚期が遅れる」っていいます。誰が言い出したのか知りませんが、単なる迷信です。迷信でも何らかの根拠があって、3月3日を過ぎても片付けないでいると、だらしないとか、決まり事を守らない、ルーズな家と世間から見られ、そうした家庭環境で育つ娘さんはダメよねっていう風潮から、嫁に行き遅れるとか縁が遠くなると、広まったそう。いわゆる躾の意味をこめた言い伝えのようです。結婚することを、「片付く」という言い方をすることもあり、ひな人形を片付けない=嫁に行けない、なんて失礼な話ですよね。とはいえ何気に催促すると、「明日、明日する」と片付けを引き伸ばしていた夫。帰省中の娘に「いつまでも家にいていいよ」って破顔、溺愛する夫。もしや、はかったな、おぬし!

 我が家のひな人形はガラスケース入りです。お内裏様、三人官女、かごや牛車のお道具が並んだ3段飾りです。娘が生まれた時に母に買ってもらいました。当時から猫2匹を飼っていたので、人形をそのまま飾るタイプだと、夜中や留守中にどんな惨事が起こるか計り知れず(顔をかじられたり、首や人形の小物類が持ち去られたり、想像すると怖い)、ケース入りにしました。

 ひな人形をはじめ、七夕の笹竹やクリスマスツリー、お正月の鏡餅などイベント飾りをリビングに置くには、それなりの覚悟が必要です。猫たちがカジカジ、ガシガシして破壊するからです。被害覚悟で毎年出窓に飾るクリスマスツリーのオーナメントは歯形だらけです(笑)。何かのお祝いでいただいた花束は、花は引っこ抜かれ、噛まれた花びらや葉っぱはすぐに枯れてしまいます。最悪、花瓶ごと倒されます。ゆえに玄関でしか楽しめません。

 ガラスケースで守られたひな人形にはさらなる試練が待っています。帰宅して部屋に入るとギョッとします。留守中、こともあろうにケースの上で猫が寝そべっているのです。高さがあるから眺めがいいのか、平然と毛づくろいし、憩いの場になっています。ジャンプしてケースに乗っかることもあり、そのつど追い払うのですが、割れやしないかとヒヤヒヤです。人形にしたって「何よ、この獣、無礼者!」と怒っていたでしょうよ。ゆえにひな人形は早々に片付けるのが我が家の鉄則です。来年も娘の帰省中に飾って、一緒に桜餅を食べられるかな。それとも来春はバイトでもしているかもね~と巡らしつつ、ガラスケースについた肉球跡や抜け毛をふき取り、防虫剤を入れて片付けました。ちなみに老舗人形店によると、人形は湿気に弱いので、晴れた天気の日にしまうのが良いとのことです。

 先日、仕事で特別養護老人ホームを訪問しました。玄関ロビーには豪華な8段のひな人形が飾られていました。地域に住む方からの寄贈だそうです。その昔は母子で箱から人形を出し、おしゃべりしながら飾られていたことでしょう。娘たちが家を離れ、高齢となった母親では飾るのが億劫になったようで、施設ではこうした理由でひな人形がよく寄贈されると聞きました。入居者さんがロビーを訪れ、「きれいね」「かわいいね」と自然と笑みがこぼれます。いくつになっても女性は煌びやかな衣装をまとうおひな様に魅了されるのですね。「うちは息子ばかりだから、ひな祭りを家でやったことがないの」という女性もいて、華やかなひな人形を憧憬の思いで見つめていました。実家に眠る60年前の私のひな人形は着物がほころび、大垂髪(おすべらかし)もだいぶほつれています。いつか処分することになりますが、その際にはきちんと人形供養してあげたいと思います。

    

 「無礼者!」と叫んでるかもね。でもわが家の猫はみんな女子だから皆でお祝い❤