猫ぐらし2 ねこったけ家族

愛猫3匹との日々を紹介します

NO.35  小説に救われる                 2023年8月31

 「ああ、これだ」-。小説を読んでいて思わず声が出ました。前回ブログで母との親子喧嘩について吐露し、自分なりにケリをつけたつもりでしたが未だ胸の中で燻ぶっていました。高齢の母の世話をしたい私と、「迷惑はかけたくない。自分のことは自分でする」と拒否する母。互いに意地を張って、「アンタが私の年になったらわかるよ」という母に、自分は寄り添えない。そんなわだかまりを抱いていた時、物語の登場人物のセリフにはっとしました。

「子どもたちに介護をしてほしいと望んでいません。むしろ迷惑です」。「私の人生は最後まで私のものであり、私の意志によって始末をするのです。あなたたち(子ども)の感傷で振り回していいものではないのです」。

 主人公は幼い頃に母親に捨てられ、元夫のDVで心身ボロボロの生活を送っていました。ラジオ番組をきっかけに別れた母と再会、同居を始めますが、母は若年認知症でした。母は自分で排泄できなくなって症状が悪化した際にはグループホーム入所を望み、事前に書き残した意思がこの文でした。もちろん物語の母親と状況は違いますが、私の母もこんな気持ちを抱いていたのではないかと思いました。母親の意思を知った主人公や周囲の人は「酷い」「そんな言い方しなくても」と悲嘆しますが、それに対し母親は「自分の手でやることを美徳だと思うな。寄り添い合うのを当然だと思うな。ひとにはそれぞれの人生がある。母だろうが、親だろうが、子どもだろうが、侵しちゃいけないところがあるんだ」と言います。心にすとんと落ちました。非情だけど、これもまた人の奥底にある本心なのだと感嘆し、少し救われました。

 最近、同じように小説の中で心に残った言葉が、“親卒”です。子が犯した犯罪のため勤務先や住居を転々として息をひそめて生活を送る母親。夫の風俗通いと娘の危険な恋愛が発覚し、穏やかに老後を迎えるはずだった生活が一変する母親。夫や子、家族のために尽くしてきた女性が“親を卒業してもいいんじゃない”と新たに自分のための人生を踏み出します。二つの物語は一人の人としての生き方を問いかけました。家族の絆はあっても子は子、親は親。年を重ねても様々な人生の選択肢がある。そんなふうに捉えると、老後は楽しくなるものだなってポジティブになりました。

 平凡だけど娘と夫と猫3匹との暮らしが楽しい。毎日の食事やお弁当作りは面倒だけど冷蔵庫のありものを使い切ると「よしっ!」とガッツポーズしたくなるし、初めて作った料理が好評だと嬉しい。今のところ唯一の趣味が読書(図書館通い)で、心が揺さぶられたり、何かを気づかせてくれたり、ドキドキさせられたり、面白い本に出会うと得した気分になる。居間に座っていると、わらわらと3匹が集まり、甘えて頭をすり寄せてきたり、お尻をくっつけてきたり。3匹3様の可愛い仕草や変な行動(表情)など、そばにいるだけで癒されます。贅沢は無縁で、ささやかな出来事で心が満たされる。そんな今が少しでも長く続いて、離れて暮らしていても互いに思いやって家族がつながっていければいいと思います。

追伸:ネットの4コマ漫画「拾い猫のモチャ」が気に入っていて「うちの子もそう」と共感しちゃいます(笑)

     

          ごめ~ん!夏野菜で遊んじゃいました(笑)