猫ぐらし2 ねこったけ家族

愛猫3匹との日々を紹介します

NO.52  「ゴールデンカムイ」 凄いです!      2024年1月31日

  

 野田サトル原作の映画「ゴールデンカムイ」を観てきました。凄いです!明治末期の北海道を舞台にスリル&スピード感あるアイヌ埋蔵金争奪戦、野生ヒグマとの死闘、そんな中にもちょこっと笑いあり、アイヌの精神世界と暮らしを学べる、評判通りの面白さでした。原作の漫画もアニメも知らなかったのですが、予告映像と豪華な俳優陣に惹かれ、心弾ませ夫と映画館に足を運びました。夫は「あちこちで人に会ったら、面白かったよ~ってお勧めしてる」と、しばらくわが家の話題は「ゴールデンカムイ」感想談で盛り上がっています。

 埋蔵金を探す謎解きストーリーの面白さもさることながら、まず映像の美しさに感激しました。すべてが北海道ロケではないのですが、山々を覆う凍てついた空気、寂莫とした雪原、白銀の木立の中を歩く主人公「杉元佐一」とアイヌの少女「アシㇼパ」。山中で度々出くわすヒグマとの激闘。牙を剝き出しに襲いかかるヒグマの動きと咆哮が臨場感を高め、ゾクゾクと恐怖を感じました。アシㇼパを守る白い狼の「レタラ」も本物の野生動物の息遣いが感じられ、CGなど最新技術の凄さにただただ驚きました(「もののけ姫」のモロの君のよう)。そして各役者さんの特殊メイク、気迫あるアクション、怪演ぶりに引き込まれます。また杉元が不死身と言われる所以となった日露戦争二百三高地での戦闘シーンもリアリティーにあふれ、兵士らの荒れた肌、カサついた皮膚のメイクが戦争の凄まじさを物語っていました。

 映画ではアイヌの生活ぶりが多く紹介されます。特に食事のシーンは興味深く、アシㇼパが狩猟した動物の肉に山菜、野菜などを煮込んだ「オハウ」(煮込み汁)を作ります。オハウはアイヌの人たちの食生活で中心となる料理で具だくさんの鍋みたいなものです。基本の味付けは塩や魚油、風味付けとして焼き昆布の粉末や乾燥させた行者ニンニクを振りかけて食べるそうです。映画でも度々オハウが登場し、杉元が「味噌」を入れようとすると、アシㇼパが「それはオソマアイヌ語でうんこ)だろ!そんなもの食べるのか」と気持ち悪がるシーンがあります。アイヌの食文化に味噌がなかったことを初めて知りました。撮影ではフードコーディネーターがアイヌの食事を忠実に再現しつつ、役者さんが美味しく食べられるようにと、鹿肉をベースに鶏肉を混ぜ合わせるなど工夫して作ったそうです。ちなみに「オハウ」は白老町の国立アイヌ民族博物館ウポポイ(民族共生象徴空間)でも提供しています。2021年7月にウポポイで「ゴールデンカムイ展」を開かれ、アシㇼパが着ていた衣装のモデルや映画でも使用した民具、拳銃などが展示されたそうです。見学した夫は「映画を観る前と後では全然、見る目が違う。もう一度じっくり見たい」と悔しがっていました。私はウポポイに行ったことがないので、いつか訪れたいとの思いが強まりました。

 それと、アイヌの人たちは生まれた子に病魔がこないようにと、幼名に汚い名前をつけることも知りました。「オソマ」もその一つで、6歳になったらちゃんとした名前をつけるそうです。食事をする際、神に感謝する作法や獣を獲る罠の仕掛け方、仕留めた熊を解体する時の決まり事などが映画の中にちりばめられています。アイヌ語で美味しいという意味の「ヒンナ」には、大地の恵みをいただく自然への感謝の気持ちが込められているといいます。なんとも耳に心地よい、優しい言葉です。自然と共存するアイヌ民族の生きる知恵、アイヌの人々が抱く自然に対する畏敬の念、その奥深さに感嘆しました。

 2人ともすっかり山﨑賢人さんのファンになり、主演映画の「陰陽師0」(5月)、「キングダム」(7月)の公開が待ち遠しく、早くも「ゴールデンカムイ続編あるでしょ!」と、今後の活躍を期待しています。

 それしにても夫婦2人で映画を観たのは何年ぶり?50歳以上のペア割チケットで料金が安くなり、年とると色々な値引きサービスがあるものだと、嬉しくなりました。わが家の猫たちもシニア世代。猫世界も特典ないかしらね。ご長寿さんはマグロ缶割引しますとか。暖房機の前でくつろぎ、食べて寝て、食べて寝ての日々です。

      

     

           

    りん(黒猫)に何かとちょっかいを出すチャコ。尻尾に触りたいの。