猫ぐらし2 ねこったけ家族

愛猫3匹との日々を紹介します

NO.54   娘の振袖                2024年2月20日

  

 大学生は休みが多い。年末年始を食べて、寝て、たっぷり栄養つけて弘前に戻った娘が、春休みで帰省しました。ここひと月ほど夫婦2人の静かな日常でしたが、再び喧騒の日々となりました。学年末テストやレポート提出に追われ、2週間ほどまともに食事や睡眠をとっていなかったそうなので、餃子やエビ天丼など好きな料理を作って慰労してあげました。1年前は受験や入学手続き、アパート選び、引っ越し準備に追われていたと振り返ると、月日が経つのは早いものです。賑やかな家族3人の食卓は嬉しいのですが、主婦としては食事量が増え(夫と2人なら手抜きするのに)、あれやこれやで用事も増え、少々憂うつ。あ~面倒くさい。手放しに喜んでいるのは夫で、「いってきま~す」「ただいま~♪」の声も晴れやかです。

 帰省の目的の一つは、来年の成人式に向けて振袖を選ぶことです。1月からレンタル店の展示イベントが始まり、娘の友達の中には早々昨年の夏休みに予約したと聞き、我が家は出遅れていたので、娘が帰省した翌日、家から一番近い結婚式場の振袖展示会へ出かけました。会場ではキッズの衣装撮影会もあって、幼児や小学1年生くらいの子供たちがたくさん訪れ、カラフルなドレスを着て大盛況でしたが、振袖展示場はほぼ私達母娘の貸し切り状態。じっくり着物を選ぶことができました。

 なにせ娘は紫好き。中高校時代の文具、服や運動靴、カバンなどには必ず紫色が入っています。娘は赤やピンクには目もくれず、真っ先に地色が紫か黒字に紫の花柄などを手にとり、羽織って姿見で確認します。小1時間悩んだ末、ラメ入りの濃い紫地に大ぶりのボタンが鮮やかな振り袖を選びました。着付け担当の年配の女性が「第一印象で決まるものですよ」と言った通りでした。一生に一度の成人式、本人の好きな着物を着るのが何よりです。華やかで品のある配色は私も気に入りました。

 私の成人式では母に振り袖・帯一式を買ってもらいました。地色は濃紺。呉服店の展示会で一緒に選んだように記憶しています。成人式のほか、短大の卒業式(袴をはきました)、親族の結婚式など3、4回は着用しました。二十歳代、私はかなり太っていて顔もまん丸のパンパン、がっちりした胴回りに帯が映えるとはよくいったもので、恥ずかしいので記念写真は実家に放置したままです(笑)。娘は私の振袖で写真だけ撮りたいというので着丈が合えば着せてあげたいと思います。そして前撮り撮影では家族3人での記念写真を撮りたい。私も何十年ぶりに自前の留袖を着てみたいのです。ピンク色なので、今の年齢が最後のチャンスかもしれません。昔の習慣からか母は結婚時に私に着物を持たせようと、着る機会はそうそうないのに留袖を用意してくれました。贅沢な買い物で申し訳なかったのですが、今は感謝しています。いつか娘が私の持っている着物を着る機会があればいいなと願っています。

 今春86歳になる母は今でもおしゃれな人で、昔から私の服装にあれこれ口出す人でもありました。学生時代私が選んだ服に「それ流行なの?どうかと思うよ」と小言を言われたり、社会人になっても「その組み合わせはダメだわ」と、出勤間際に着替えさせられたこともありました。今でも時々「それ安物でしょ」とか余計なことを言ってきます。なぜか若い時分からあまり逆らわず、母のアドバイスに従って何となく無難な色やデザインばかり選んで着てきました。未だにそこから抜け出せず、紺やベージュ、グレー、白以外の色を着るには、かなりの勇気がいります。だから娘の洋服買いに付き合う時は見た目の印象やフィット感は伝えますが、色や柄は自由に好きなものを選べばいいと思うのです。

 めっきり春めいてきて、淡いパステルカラーや花柄、ボーダー柄などかわいらしいファッションが店先を飾っています。還暦を前に、これまでは絶対選ばなかった色や柄、デザインに冒険してみたいと思うこの頃です(今が私の反抗期)。今回は猫の話題がなかったので、次回2月22日「ねこの日」は猫づくしにしたいと思います。

 

    

         濃紫の地色にボタンが鮮やかな振り袖を選びました

    

   

            「ふう~ん、いいんじゃない」 byチャコ