初めまして！猫好き“ねこったけ家族”のnaopです。2023年２月まで地方紙に愛猫との生活や猫好きなら「うちの子もこんなことしてる～」と、猫の不思議な行動やあるあるの話題を「猫ぐらし」のタイトルで執筆していました。新聞掲載が終了となったので、この度ブログを開設し連載を再開しました。新聞掲載時は文字数や内容などに多少の制限がありましたが、思いつくままに書き連ねていこうと思います。
№ ２３ 2023年４月３０日
１月から３月までの春先は娘の道内外での大学受験、合格後の入学手続き、アパート探し、生活用品の買い出し、引っ越し荷造り・配送、現地での荷ほどき等など、怒涛の３カ月でした。受験勉強を乗り越えた娘のためと思えば、家事や仕事の合間を縫って手続きや引っ越し作業を夫と協力してこなしました。まさに短期集中。こんなにハードだとは想像しておらず目の回る日々でした。ようやく落ち着いたものの、あとになって「あれがない」「これが欲しい」と、一人暮らしの娘を心配してあれこれゆうパックで送っています。
入学式には出席しなかったので、最後に会ったのが大学正門前。志望校を目指し必死で勉強してきた娘に「私には自慢の娘だよ。夢に向かって頑張って」とハグしたら娘が涙ぐみ、横で夫が目頭を押さえ。ここで私も泣いたら辛い門出になると思い、笑顔で手を振ってきました。感動の惜別の場で泣く機会を失いしましたが、自宅に戻り、ふとした瞬間に娘の声や顔が浮かんで寂寥感におそわれます。乳幼児期は地域の子育てサークルに通い、幼稚園、小中学校、高校と18年間は長いようで短い年月でした。仕事や家事に追われながらも十分に娘とかかわってきたつもりですが、もっともっと愛情をそそぎ、触れ合ったり、語り合ったり、家族の思い出を作ったり、そばにいる時にしてやれることがあったのではないかと考えてしまいます。子どもはどんどん新しいことに挑戦し社会へと羽ばたいて親を越えていきますが、それでも子育てに終わりはないのでしょう。これからは少し離れたところで娘の成長を見守っていこうと改めて思います。
そういえば「合格した！」の娘からの吉報は仕事終わりに寄ったスーパーでの買い物最中で、「よっしゃ！」とガッツポーズをしたいところをぐっと堪えました。「おめでとう！夕食はお寿司にするね」のLINEを打ち込む手が震え、何度もやり直しました。北海道と青森県は近いようで遠い。新幹線料金安くならないかなぁ。１０月には室蘭－青森間のフェリーが復活運航する予定で、是非利用してみたいです。
さて、わが家の３匹の元保護猫さん（みんな女子）は今春それぞれ誕生日を迎え、りん（黒）とモモ（キジトラ）が１１歳、チャコ（三毛）が７歳になりました。人間一人にそれぞれ“推し猫“がいて、りんは私。夫はモモ。娘に一番なついているのがチャコです。勉強中は机を占領し、毎日一緒にベッドで眠る仲で、娘が家を離れたらどうなる？と、夫と私は「娘の部屋で引きこもりしちゃうんじゃない」「ストレスでごはん食べなくなるかも」と、娘の自炊生活よりも深刻に心配していていました。ところがいざ娘が青森に旅立った後は拍子抜けするほど平常通りで、１階リビングで他の２匹と一緒に過ごし、ご飯もちゃんと食べるし、昼寝もたっぷりしています。
「猫は三年の恩を三日で忘れる」のことわざがあるよう、よく進学や就職などで家を出た人が実家に戻ると、飼い猫につれなくされたり、警戒されたりして悲しくなったという話を聞きます。ネットや物の本によると、猫は楽しいことやうれしいことを覚えていて、嫌なことや怖いことは特に記憶しているそう。飼い主さんの「おやつだよ」という声やおやつのパッケージ、皿が置かれた場所も覚えている子もいるらしいです。
我が家の場合、カツオやマグロ缶の蓋を開ける音やカチャカチャと皿を出す音で「今日はごちそうだ！」とキッチンに跳んできます。だから時々、人間が食べるサバ缶などを開けるときは、わざわざキッチンと離れた玄関に行って開けます。そうしないとキッチンに３匹が群がって「ちょうだい」の圧力をかけてきます。嫌な記憶では病院に行くときのキャリーバッグを出した時や、爪切りバサミを保管場所に取りに行くだけで逃げだします。対義語は「犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ」。猫は薄情で、犬は忠誠心が強く情に厚いと思われるのはなんだか悔しい。
ＧＷ後半に娘が一か月ぶりに帰省します。さてチャコはどんな反応するかな～。匂いや声で飼い主さんを記憶しているそうだから、鼻をひくひくさせて体の匂いを嗅ぎ、耳を研ぎ澄ませて娘の声を思い出し感動の再会を果たすのかしら。つれない態度だったら娘がかわいそう。でも猫には猫の言い分があって「私が７年もお世話して遊んでやったのに、ことわりもなく遠くに行っちゃって！ふんっ」ってすねているのかもね。
猫タワ―に集結（上からモモ、りん、チャコ）
